レッスンの導入と締めくくり
教科書ーレッスンポイントⅡ
2.レッスンの導入と締めくくり
(1)はじまりの歌
レッスンを通して、大事なポイントは次の3つです。
レッスン 3つのポイント ・一人ひとりと目を合わせる ・歌や言葉の頭は明確に声を出す ・オーバーアクションで動きを誘う |
特に、はじまりの歌では、この3つを意識して行います。
はじまりの歌は、レッスンの中でもとても重要です。
ここを先生がどう意識して行うかによって、この後のレッスンの雰囲気が
変わってきます。
はじまりの歌で、ママパパと子どもを引き付け、楽しく成果の出るレッスンを
スタートさせましょう。
(※動画1.キッズ 「はじまりの歌」1.ベビー「はじまりの歌」を参照)
①隊形
2歳児キッズや、1歳児リトルは、ママパパも子どもも立って
大きな円になって行います。
0歳児ベビーは、集まって円になって座って行います。
②ポイント
・歌いながら一人ひとりと目を合わせる。
歌いはじめは、定位置(講師セットを背にした会場全体が見える位置)
にいます。
ここから、子ども一人ひとりと目を合わせます。
子どもの方を見るのではなく、“視線を絡める”イメージです。
絡めるとは、ただ目を向けるだけでなく、一人ひとりと目を合わせ
通じ合う意識を持つことです。
子どもは「先生が見てくれている」と気になり、目を向けてきます。
“視線を絡める”ことで心をつかみ、子どもは先生の声に反応し
レッスンに集中します。
・歌い出しは、ハッキリと声を出す。
はじまりの歌では、「さぁ はじまるよ~」の「さぁ」です。
ここを、明るくハッキリとした声で歌い出します。
明るく楽しい雰囲気がつくれるとともに、子どもの意識が先生に向かいます。
・子どもの近くに行き、オーバーアクションで動きを誘う。
オーバーアクションは、とても大事です。
楽しく、ワクワクと気持ちを高めて、レッスンをスタートできます。
また、子どもの近くに行くことで、最初は動きの小さい子どもやママパパも、
先生の動きやテンションに誘われて、動き出します。
入場したら、まず、レッスンCDをかけ音楽を流します。
レッスン開始までに時間にゆとりがある場合は、
レッスンCDの「トラック2(入場)」の音をリピートして流します。
レッスン開始時間になったら、リピートを解除して、
40分ノンストップレッスンをスタートさせます。
レッスン用のCDデッキを購入する際は、販売店で、
リトピュアCDを実際にかけて、以下のことを、確認してください。
・リトピュアCDの音が再生されるか
・音量は十分に出るか(小さい音ではレッスンが成功しません)
・CDを入れてすぐ反応するか
・リピート機能がついているか
(2)はじまりの歌とおへんじの歌の間
この「間」を、大事にしましょう。
流れるように行うことで、集中が途切れず、おへんじの歌へつなげられます。
① 隊形
・円を小さくして座る。
ここで、小さい円をつくることが、重要です。
お話、おへんじといった、お話を聴く場面に、小さな円をつくって
座ることで、「集中している」をママパパに見せることができます。
先生が円の中で、回れるスペースは確保します。
② ポイント
・ワクワク楽しく、小さい円をつくる。
音に合わせて、 「シュー」「バイバイ」の声とアクションを使って
円の中央に集まったり、後ろに下がったりします。
シューと集まって、小さな円ができたときに「ストン」と言って座ります。
こうすることで、この後の挨拶、おへんじの歌を行う隊形である
小さな円を自然につくることができます。
指示語ではなく、楽しみながらつくることで、よい成果を引き出します。
小さな円という隊形をつくることで、子どもが、お話を集中して
聴ける環境ができます。
隣との隙間が狭くなることで、まず、子どもが円の外に
動き出しにくくなります。
さらに、ママパパも、子どもが集中することを目で見てわかるので、
隊形づくりに、積極的に協力するようになります。
ママパパ同士のおしゃべりも、ぐっと減ります。
毎回、楽しいあそびとして盛り上げながら、妥協せず小さい円を
つくりましょう。
(※動画1.キッズ 「はじまりの歌」を参照)コミュニケーション・挨拶)
・動かすコツ
身体を少し後ろに傾け、ため、はっきりした声で「シュー」と、
言いながら円の中央に勢いよく動きます。
この「シュー」と集まるところが楽しいところです。
子どもやママパパが、ワクワクするように声を張って、
勢いをつけて集めます。
中央に集まり、小さな円になったところで、一旦、止まります。
そして、声のトーンを落とし、柔らかい声で、「バイバイ」と
言いながら、ゆっくり少し後ろに下がります。
気をつけるのは、下がるとき、少し速度を落とすことと、
元いた位置まで下がらないことです。
これで円が最初より少し小さくなっています。
「シュー」「バイバイ」を繰り返します。
「シュー」は、ワクワク元気よく、勢いよく、「バイバイ」は、
穏やかにゆっくりです。
最後にもう一度、シューと言って集まり、円が小さくなった瞬間に
ストンと言って座ります。
このことを意識して行えば、小さい円ができます。
隣との間が狭くなった状態
隣との間が広がった状態
・妥協しないで小さい円をつくる。
体験レッスンや、体験の方が多いときなど、どうしても
小さい円ができづらいときが、あります。
そのときも、先生が妥協してはいけません。
もし、座ったときに、円が大きい場合は、ママパパに
「もう少し小さい円になるように前に来てください」と声をかけます。
1回、2回言うだけでなく、毎回伝えることが大切です。
ママパパに「円を小さくする」ことを意識づけすることが、できます。
・親子が全員、円に入っているか確認する。
後から入室してきた方や、体験の方は、円に入りにくいこともあります。
先生は「こちらに、どうぞ」「ここに、入れてくださいね」と声をかけましょう。
(3)おへんじの歌
おへんじの歌は、子ども一人ひとりと向き合えるカリキュラムです。
子どもの名前を音程に合わせて呼び、反応を引き出します。
子どもは「はあい」と同じ音程で返事をしたり、手を合わせたりします
1つの歌を歌い、クラスで一体感を持てるようになっています。
一人ずつ名前を呼ばれることで、自然に自分の番を待つようにもなります。
子どもが、自分の名前を音程に合わせて呼ばれることで、
音を聴こうとする意識が高まります。
各クラス、ミレミからはじまり、違う音程が少しずつ出てきます。
キッズクラスでは、3音~5音、黒鍵の音も入った音程も出てきます。
このようにおへんじの歌は、聴音レッスンになっています。
子どもたちは、楽しく自然に、音を意識して聴こうとするようになります。
先生自身が理解し、ママにお話することで、
ママパパは今していることが、どういう成果につながるのかを実感し、
期待を持って、レッスンに参加できるようになります。
①隊形
はじまりの歌からの「間」でつくった、小さな円で行います。
毎回、声をかけて、小さな円をつくることを意識づけます。
②ポイント
・何人の名前を呼ぶか確認する。
はじまりの歌を歌い出す前までに、何人の子どもがいるか把握します。
その人数によって、どういうバリエーションを使うか、
イメージをして、人数に合わせて組み立てます。
予め、何人のときはこう呼ぶ、何人のときはこう呼ぶ、と
決めておき、その中から参加人数に近いものを選びます。
・前奏でリズムをとり、一人ひとりと目を合わせる。
前奏は、手拍子でリズムをとる、「とっても じょうずにできました」は
一緒に歌ってほしいことをママパパに伝えます。
ママパパに、子どもの肩や背中、腿などをトントンとして
リズムをとるよう声をかけます。
(※動画2.キッズ 「おへんじの歌」2. ベビー「おへんじの歌」を参照)
・呼ばれていない子がいないようにする。
座った円、先生の隣から順番に呼び、呼ばれていない子が
いないように気をつけましょう。
遅れてきた子や、場所を移動した子を呼び忘れないように
気をつけてください。
どの子もみんな、同じ回数、呼ばれるようにします。
一人の子は3回呼ばれて、他の子は1回しか呼ばれていない、
と、いうことが起きないように充分、注意しましょう。
・体験の子は、最初に呼ばない。
体験の子を呼ぶ順番は、少しでも後になるようにします。
体験の子やママパパが、他の子の様子を見ることで「こうするんだ」と
安心できるからです。
体験の子を飛ばして呼ぶのではなく、少しでも後に呼べる方から、
回りはじめます。
・名前を呼んでいる子の状態に合わせて、先生の手を出す向きを変える。
子どもが「はあい」とおへんじするところです。
このとき、子どもの手の出し方によって、先生は対応を変えます。
子どもの手の平が先生の方を向いていているときは、
少し手を上にあげ、「ハイ」と手を合わせられる位置に出します。
子どもの手の平が下を向いているときは、先生の手の平を
上に向けて、子どもの手の下に差し出し、子どもが手を出しやすくします。
子どものちょっとした動きを見て、先生が手の出し方を変えることで
「あげられた!」「手を出せた!」という場面ができ、
子ども自らができたという、褒めどころができます。
また、ママパパが「できた!」「できるようになった!」と実感できます。
・手拍子を誘う。
「♪とってもじょうずにできました」のところは、「みんな一緒に~」と
手拍子を誘うことで、子どももママパパも集中が持続します。
また、最後に「お友だちのおへんじも一緒に聴けましたね」と
声をかけると、ママパパの意識に「集中していた」と、インプットすることが
できます。
・おへんじのバリエーションは、レッスン前に組み立てておく。
「(名前)ちゃん (はあい) (名前)ちゃん (はあい)」で1回です。
先生が呼ぶ
・先生が「(名前)先生」と自分のことを呼ぶ
・先生が「みなさん」と呼ぶ
・先生が「(名前)ちゃん」と呼ぶ
・先生が「ママとパパ」と呼ぶ
・先生が小さい声で「みなさん」と呼び小さい声でのおへんじを促す
・先生が大さい声で「みなさん」と呼び大さい声でのおへんじを促す
ママパパが「(名前)ちゃん」と自分の子の名前を呼ぶ
ママパパに「ママパパが(名前)ちゃんと呼んであげてくださいね」と
声をかけます。
1回に2人の子の名前を呼ぶ。
通常は、「(名前)ちゃん (はあい) (名前)ちゃん (はあい)」で1回ですが
「♪(1人目;名前)ちゃん(はあい) 、(2人目;名前)ちゃん(はあい) 」と
1回で、2人の子どもを呼ぶこともできます。
2人を呼んだときは「♪とってもじょうず できました」では、
片手ずつをそれぞれの子に差し出し、手を合せましょう。
参加人数が少ないときは、1人の子を2回以上
呼んであげることもできます。
では、実際にどう組み合わせて呼ぶか、
次に、バリエーション例をあげますので、イメージしてみてください。
※呼び方のバリエーション
・参加 14名の場合の例
・参加 5名の場合の例
・おへんじの後のコメントを、タイミングよく的確に伝える。
一人の子どもの名前を呼び「とってもじょうずにできました」から、
次の子どもになる間で、お名前を呼んだ子を褒めます。
その子のできていたこと、先生が見逃さなかったことを端的な言葉で
褒めましょう。
いくつか例をあげますので、参考にしてください。
コメント例
・目を合わせましたね。
・足が動いていましたね。
・お口が動いていましたね。
・手をあげましたね。
・リズムをとっていましたね。
・お歌も歌えましたね。
・「はあい」の音程が合っていましたね。
・「はあい」って音に合わせて3つたたけましたね。
このように、見たまま、そのままを言葉にします。
まずは、コメント例から、子どもの反応に合っている言葉を選んで
使って褒めましょう。
(4)あんころもち
レッスンの終わりの歌です。
子どもが落ち着いて、挨拶ができる姿をママパパに実感いただける
カリキュラムです。
①隊形
・小さな円をつくる。
あんころもちの歌がはじまる前の音で、「シュー、バイバイ」を繰り返し
小さな円をつくります。
はじまりの歌の前と同様です。
(※動画14.キッズ 14.ベビー さよならあんころもちを参照)
②ポイント
・話を聴く隊形を楽しくつくる。
「シュー」で勢いよく中央に集まり、「バイバイ」で少し下がります。
楽しく、小さな円をつくることができる動きです。
はじまりの歌の前と同じように「シュー」と「バイバイ」と言う声と
動きにメリハリをつけます。
・小さくなった瞬間に「ストン」と言って座る。
この小さくなったタイミングに「ストン」と座ることで、
円が小さい状態を保つことができます。
この後、お話をする隊形として大事なところです。
もし、円が小さくなっていない場合は、
「もう少し前に」「小さな円に」と声をかけます。
妥協せずに毎回声をかけましょう。
・穏やかな声で歌う。
落ち着いた雰囲気をつくることが大切です。
穏やかな声で、子ども一人ひとりと視線を合わせながら
歌いましょう。
(5)最後のお話
ママパパに、レッスンの成果をあらためてインプットできる大事な時間です。
ポイントは、ママパパが嬉しいこと、リトピュアレッスンをしている意味を
感じることです。
指導動画から理解した、カリキュラムの主旨を伝えることが大切です。
でも、難しい話をすることは、逆効果です。
1つは、レッスン前に準備しておき、もう1つは、その日のレッスンで
感動したことを、そのまま伝えればいいのです。
(※動画15.キッズ ベビー退室 最後の話を参照:この内容は体験レッスン用です)
ママパパと一緒に、子どもの成長を喜ぶ大切な時間です。
①隊形
・小さな円
あんころもちのままの小さな円で、先生の方を観て、
お話が聴けるようにします。
②ポイント
・ママパパ、子ども一人ひとりと視線を合わせながら話す。
あんころもちの「さようなら」のあと、視線をあげ、拍手をします。
そして、すぐに話はじめましょう。
このとき、視線を合わせ、ママパパがうなづくタイミングをつくりながら
話すことが大切です。
句読点で少し間を取ることを、意識して練習しましょう。
・最後に、全員で「さようなら」を言う。
最後まで話を聴いていたことを、褒めましょう。
(※動画14.キッズ ベビーさよならあんころもち 参照)