愛着の教具で行うレッスン

 

教科書ーレッスンポイントⅡ

 
 

1.愛着の教具で行うレッスン

リトピュアには、一人ひとりが持つオリジナル リトピュア教具があります。

教具セットは、教具バッグ、名札、キャラクターリズムカード・カラーボード・
タンバリン・ポンポン・リトピュアノートです。

リトピュア教具は、単なる教具ではありません。

キャラクターは大好きなお友だち、仲良し、そういった位置づけです。

まず先生自身が、愛着を持った言葉、行動をとることが
とても重要となります。

この“愛着”は、リトピュア教具すべてにおいて共通です。

先生は、いつも注意して行動しましょう。

教具に愛着を持つための仕掛けとして、リトピュアの教具バッグは、
・自立して立ち
・間口が大きく開く
オリジナルのものです。

教具を出すときは、ママパパにバッグを開いてもらい、
子どもが、バッグの中がよく見えるようします。

毎回、子どもに「タンバリン、どこかな」「カラーボードあるかな」と
声をかけてもらいましょう。

ママパパが、一人でサッと選んで出してしまわないことが
大切です。

これを繰り返すことで、子ども自身で用意できるようになっていくことを
ママパパに伝えましょう。

毎回、先生は、ママパパと子どもに声をかけて促しましょう。


(1)キャラクターリズムカード

キャラクターリズムカードは、6種類の動物キャラクターのカードです。

表がキャラクターの絵で、裏には6種類のそれぞれ違った音符があります。

このカードを使ったレッスンで、
子どもは、見たまま聴いたまま、感じたままにイメージして、
直感的に、絶対拍を身につけていきます。

視覚イメージ、聴覚イメージ、体感イメージで習得していきます。

基本の拍の取り方、正しいステップは、こちらで学習してください。
(※定番動画1.~6共通リズムステップ 参照)

視覚イメージ
キャラクターと音符の絵を、視覚的にインプットする。
聴覚イメージ
キャラクターごとの音を聴いて、拍の長さを聴覚でとらえる。
体感イメージ
キャラクターごとのステップを身体で感じ動く。

鳴き声などをそのまま音符の長さとして、
子どもが自然に拍を習得できるようにしてあります。

楽しく声に出し動くことによって、そのまま拍を感じていくことが
できるのです。

音楽をしていく中で必須である「リズム感」の基礎となる【絶対拍】を
愛着を持ってキャラクターたちと、触れ合う。ことで、
子ども自ら、楽しく身につけることができます。

①隊形

・カリキュラムによって、異なる。

円や対面、直線、立つ、座るなど、カリキュラムによって
隊形も異なります。

指導動画、カリキュラム資料をよく観て行いましょう。

②ポイント

・キャラクターに愛着を持った行動をする。

先生のキャラクターに対する声かけ、行動がとても重要です。

キャラクターに対して、先生は子どもが愛着を持つ言葉がけをしているか。
カードをまたいだり、踏んでいたり、雑に扱っていたりしていないか。

いつも意識していましょう。

・リズム唱、キャラクターの名前を声に出して言う。

鳴き声などをそのまま音符の長さとして、
子どもが自然に拍を習得できるようになっています。

ママパパに「ワンワン」「チュチュチュチュ」など、
リズム唱を声に出してもらいましょう。

また、子どもが手にしたキャラクターの名前を
「わんくんね」「ちゅちゅちゃん選んだの」など声に出してもらいます。

先生が意識して、リズム唱、キャラクターの名前を声に出し、
ママパパも声に出して言うよう促します。

・正しくリズムステップをする。

リズムステップは、拍を楽しく、正しく体感できるカリキュラムです。

先生自身がオーバーアクションでできるように、練習をしてください。

鏡を見たり、動画を撮ったりして、自分の動きを必ず確認することです。

ママパパや子どもは、先生が見せた動きのその半分くらいの大きさで動く、
と思ってください。

先生のマネをして動くことで、音符の長さを感じるのですから、
先生は一つひとつの動きを、大きくハッキリ見せることが大切です。

先生が正しくリズムステップできるよう、
指導動画をよく観て、練習をしてください。
(※定番動画1.~6共通リズムステップ 参照)


(2)カラーボード

カラーボードは、赤・青・黄・緑の4色のボードです。

このカラーボードを使ったカリキュアムを大きく分けると、
次の3つになります。

色彩感覚
絶対拍
創造性、想像力

・色彩感覚

赤・青・黄・緑は、子どもの目に入りやすいはっきりとした色です。

子どもが一番先に覚えやすい色でもあります。
「あか」 「あお」 など、声に出して楽しく色の認識をしていきます。

・絶対拍

カラーボードを横に並べ、ボード1枚1枚で、拍を感じていきます。

2拍子  「イチ ニ」 「イチ ニ」
3拍子  「イチ ニ サン」 「イチ ニ サン」
4拍子  「イチ ニ サン シ」 「イチ ニ サン シ」

一定のテンポで、左から右に触っていきます。

これは、楽譜を読むときの流れと同じです。
キッズクラスでは、譜読みにつながるカリキュラムもあります。

・創造性、想像力

この、赤・青・黄・緑の4色は、子どもが生活の中で
目にする身近なものの中に多い色です。
色や形から、創造性、想像力を膨らませて
「見立ててあそぶ」カリキュラムもあります。

①隊形

・カリキュラムによって、異なる。

座って行う、立って行うなど、いろいろな隊形でのカリキュラムがあります。
指導動画、カリキュラム資料をよく観て行いましょう。

②ポイント

・「色彩感覚、絶対拍、創造性、想像力」どのカリキュラムか理解する。

指導動画やカリキュラム資料をよく観て、何のカリキュラムなのかを
理解しましょう。

引き出す子どもの成果を意識した声かけをすることができます。

・色の名前を声に出して言う。

子どもは、手にしたボードを見て、耳から聴いて色を認識します。

ママパパに、色の名前を声に出して言ってもらいましょう。

もし、先生が言った色と違う色を持っていても、それはそのまま
持たせておいて、ママパパが正しい色を見せるよう促します。

違う色であっても、自ら選び、持てたことを褒めるのです。
そのことが、また次も自ら探そうとする意欲につながります。

大事なことは、色の名前を声に出すことです。

今、子どもが手にしているカラーボードの色を「赤ね」「緑ね」と
声に出してもらうよう、ママパパを促しましょう。


(3)タンバリン 合奏

タンバリンで、曲に合わせて、リズムをとります。

0歳児ベビーでは、タンバリンをベビーちゃんが持ったり、
ママパパが持ってリズムをとって見せたりします。

2歳児キッズ、1歳児リトルは、タンバリンを持って、立ってリズムをとります。

「わんくん(4分音符)のリズムだよ」
「もおくん(2分音符)でとるよ」と、拍を意識させる言葉をかけましょう。

唱歌や童謡、親しみのある歌や季節を感じる歌を、
リトピュアのオリジナルアレンジにしています。

さまざまなアレンジや、歌詞を楽しみましょう。

①隊形

・円になって行う。

0歳児ベビーは、座ってママパパの膝の間に座らせます。

2歳児キッズ、1歳児リトルは立って円になるよう促します。
ママパパも立って一緒に行います。

②ポイント

・合奏準備音で立たせて、隊形をつくる。

タンバリンを持って「ここだよ」と声をかけ、子どもを集め
一人ひとりと視線を合わせて、集中させます。

準備音が聴こえてきたら、楽しく集まって、合奏曲の前奏に
入れるよう、指導動画をよく観てコツをつかみましょう。

・子どもの近くに行ってリズムを誘う。

タンバリンでリズムをとりながら、子どもの近くに行きます。

身を少しかがめ、子どもと視線を合わせてリズムをとり
子どもがタンバリンでリズムをとるのを誘います。

・リズムをとっていることを見逃さずに褒める。

タンバリンではなく、ポンポンやカラーボードでリズムをとる子もいます。
また、何も持たずに手拍子をとったり、身体全体でリズムをとる子もいます。

どちらも、リズムを感じて表現していることを見逃さずに褒めましょう。

無理にタンバリンを持たせる必要はありませんが、
さりげなく差し出しましょう。

・最後の音の後、静止する。

余韻や無音を聴いている、と伝えることができます。

最後の音のあと、少し静止し子どもたちを見渡します。

そして拍手をしましょう。

子どもが動きをピタッと止め、タンバリンの音が止まって
クラス全体が静かになった状態を、言葉にして褒めます。
(※動画12.キッズ リトル ピクニック合奏 参照)


(4)ポンポン ダンス

ポンポンを持って踊ります。

赤・青・黄・緑の4色のうち、2色を子どもが、もう2色をママパパが持ちます。
何色を持っても構いません。

親しみのある曲やクラッシック曲を、リズム感あふれる
オリジナルアレンジで、ダンス曲にしています。

そして、ママパパが本気で踊り、達成感がある振付けになっています。

2歳児キッズ、1歳児リトルは、子どももカッコよく踊っているママパパや
先生のマネをして、それらしく踊れます。

3ヵ月継続カリキュラムなので、どんどん変化していく様子を
実感することができます。

先生自身が、カッコよく踊れるように、指導動画を観て練習をしてください。

手足の先、角度なども十分に意識した動きをすることで、
キレのある目を引く動きになります。

①隊形

・円になって行う。

0歳児ベビーは、座ってママパパの膝の間に座らせます。
対面にすることもあります。
2歳児キッズ、1歳児リトルは立って円になるよう促します。
ママパパも立って一緒に行います。

②ポイント

・ダンス準備音で立たせて、隊形をつくる。

ポンポンを持って「ここだよ」と声をかけ、子どもを集めます。
そして、一人ひとりと視線を合わせて、集中させます。

2歳児キッズ、1歳児リトルは、手を動かしても隣の人と
手が当たらないくらいの円になるよう、確認し必要に応じ誘導します。

・子どもの近くに行って動きを誘う。

1番は、先生の定位置で動き、2番からは、
オーバーアクションで動きながら、子どもの近くに行きます。

子どもと視線を合わせ、一緒に動き出すことを誘います。

キレのある動きを見せながら、子どもの近くに行けるよう
動きを完璧に練習して覚え踊れるようにしておきましょう。

・リズムに反応している様子を、見逃さずに褒める。

ポンポンではなく、タンバリンを持ったり、何も持たずに動く子もいます。
どちらも動いていることを見逃さずに褒めましょう。

また、リズムを感じて、動きを合わせてくる様子も見られます。

同じ動きでなくても、リズムが合っていることや
その子なりの表現を声に出して褒め、ママパパに伝えましょう。

・最後の音の後、静止する。

ダンスの最後に向かう音、動きに合わせ、
子ども一人ひとりと目を合わせ、ピタッと止まれるよう促します。

そして、最後の音のあと、少し静止し子どもたちを見渡し、
拍手をしましょう。

子どもが動きをピタッと止めた、クラス全体が静かになった、という状態を
言葉にして褒めます。

余韻や無音を聴けていることを、ママパパにわかるように伝えましょう。
(※動画13.キッズ リトル きらきら星変曲ポンポン 参照)


(5)お絵描きリトミック

リトピュアの絵描き歌は、小さな子どもでも簡単で楽しく描ける!
いつまでも忘れずに歌って描ける!カリキュラムです。

リズムに合わせて、思いのままにクレヨンを動かすようになる。
簡単なわかりやすい絵描き歌だから、一人で描けるようになる。

これらの目に見える成長を、先生が見逃さずに褒めることで、
ママパパも成長を実感することができます。

このリトピュアの絵描き歌は、身近なものをテーマにしています。

このお絵描きリトミックは、グループで行うレッスンの中で
人見知りさんも、周囲に気兼ねなく、自分を発揮できる時間です。

お絵描きリトミックは、2歳児キッズ、1歳児リトルで行います。

①隊形

・対面で座る。

ホワイトボードと対面になるようにします。

ホワイトボードがまっすぐ見える位置か、遠くないか、
絵描き歌がはじまるまでに確認し、必要に応じて場所を誘導します。

ママパパは、子どもと同じ向き、子どもの横に座るよう声をかけます。

②ポイント

・同じ形を書くことが大事なのではない。

先生と同じ形を描けることだけを、目的にしていません。

大事なことは、子ども一人ひとりが自分なりの表現を
描くことを通して、楽しくできることです。

【絶対感性】です。

先生は、このことを常に意識し、子どもの様子を見逃さないで
具体的にその子の「できた!」を声に出して褒めます。

大きく描けたね・元気よく描けたね・おんなじ色にしたの
まっすぐ描けたね・リズムにのって描けたね など、
たくさん言葉をかけましょう。

(※動画13.14.15.キッズ リトル共通 お絵描きリトミック
準備、お絵描き、言葉がけ全てあります 参照)

・子どもの近くに早く行って声をかける。

絵描き歌は、同じフレーズを繰り返し、1曲を進めていきます。

最初の1フレーズで描いて見せたあと、先生はすぐ子どもの近くに行きます。

そして、子どもが描いている絵、音、リズムに反応している様子を
見逃さずに声に出して褒めます。

・ギリギリまで子どもの近くにいて褒める。

繰返しのフレーズがあと1回のところで、合図音が聴こえます。

「あと1回ある」と意識し、次のフレーズがはじまるギリギリまで
子どもの近くにいて声をかけます。

全員のところに必ず行きましょう。

・無理に片づけなくていい。

お絵描きリトミックのあと、片付けずに描いている子どももいます。

そのときは、ママパパに「無理に片付けなくていいですよ」と
声をかけましょう。

楽しく夢中になっていることを受け止めます。

そして、ママパパに次のカリキュラムの用意を横でしていただき
音楽に合わせてリズムをとってもらいます。

子どもは、だんだんと次のカリキュラムに興味を示していきます。

お絵描きリトミックを繰り返すうちに、準備する、お絵描きをする、
片付けるという流れを、子ども自ら楽しんでできるようになります。

・クレヨンへの興味を受け止める。

お絵描きリトミックで、初めてクレヨンに触れる子どもも多いです。

最初は、クレヨンは“描くもの”と言うより、
“きれいな色のおもちゃ”の感覚です。

クレヨンを箱から出したりしまったり、並べたりぐちゃぐちゃにしたりします。

これは、クレヨンに興味を持っている行動です。

そのことをママパパに伝え、見守っていただくようにします。

また、ママパパに、子どもが手にしたクレヨンの色を「赤だね」「青もあるね」と
声に出すよう促します。

クレヨンをギュッと握って描く最初は、トントンと上下に動かしたり
左右に動かします。

次に、しっかりとクレヨンを、鉛筆を持つように持って、
肩から腕を回してグルグルして大きな形を描きだします。

その後、月齢や身体発達に伴い、手首、指先と細かい動きができるようになり、いろいろな形を描けるようにと変化します。

今、子どもがしていること、できていることを褒め見守りましょう。

描くことが「楽しい!」「できた!」と感じることで、
どんどん意欲を高めていきます。

③準備

・先生が用意するもの
ホワイトボード
ホワイトボードマーカー
ホワイトボードマーカー消し

・生徒さんが用意するもの
水性クレヨン(12色程度)
B4サイズお絵描き帳
レジャーシート(張りのあるもの)
お手拭きタオル

※生徒さんが用意するもの一式は、教室でも
貸出予備として用意をしておきましょう。

 
 

本書の著作権は、リトピュアにあります。
本書の無断複写・複製は禁じられています。
リトピュアカリキュラムの無断使用は、いかなる場合でも認められません。